いま何処ですか?

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  • 更新:2015年8月 7日
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連作なので、「最後の贈り物」を先にね!


暑っついなぁ~!
波乗り始めて1年とちょっとか
波乗り始めるんだって言ったらみんな驚いてたな

「え~ 真っ黒になっちゃうよ」
「ブルークラッシュ見たから? 危ないよ」
「今更サーファーガールって感じでもないでしょ」

うん 確かに真っ黒にはなった(笑)

今は7月、初夏の日差しが全てを生き生きと見せる
海も山も、この古びた北千葉の町並みさえ
キラキラ輝いてる
一番好きで、そして一番嫌いな季節

さて、着替えて海入ろう
駐車場でこうして着替えるのも全然抵抗なくなっちゃったし
女の子としては、ちょっとまずいかな

「おはよー、ハナちゃん」
「相変わらず黒いねぇ」
「ちょっとは上手くなった(笑)」
「あれ? 新しい板買ったの?」

「これ? これもう2年位前に買った板らしいの」

「らしいって 自分で買ったんじゃないの?」

「まぁね(笑)」

それにしても波無い
最初はなんでこんな事が楽しいんだろって思った
でも、不思議
海にきて、波があっても無くても、それはそれでなんだか楽しい
癒されるってのとも違うし、ただ厳しいてのとも違う
すごく自然なままで居られるってのかなぁ
あのバカが、が毎週波乗りに行っていたのがちょっと解るような気がするな

思い出すな・・
あの店のドアをあけてから、波乗りが始まったんだよね



「すみません」
「あのぉ サーフボード見せてもらえますか?」

「始めて?」

「はい 何度か波乗り見に来たことはあるんですけど」

「ショートとロングどっちがやりたいの?」

「できればショート」

「じゃ これくらいの板がいいかなぁ」
「ちょっと長めだけどね」
「頑張れば、2,3ヶ月で立てるようになるよ」

「そんなにかかるんですかぁ~ 立つだけで?」

「頑張ればね(笑)」

「あれ!」 「この指輪どうしたんですか?」

「あっ それね」
「誰かの落とし物らしくって、預かってるんだけどね」
「丁度1年位前かなぁ・・」
「可愛いちっちゃな女の子が海で拾ったとかで、お母さんと届けに来たんだよ」



最初にこの指輪見たときはビックリしたけど
右の薬指にはめる前から、すぐにわかったよ
きっと私の指にぴったり入るって
太陽と風と波の神様だよね
今は何処で波乗りしていますか?