むかし僕が死んだ家

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  • 更新:2014年6月10日
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むかし僕が死んだ家 著:東野圭吾

彼女の父は毎年決まった時期に、別荘地にある家に出かけていく。
父が他界し、その家への地図と鍵が残された。
その家が何を意味し、なんのために有るのか。
そして小学生にあがるまでの彼女の記憶は何も無くなっている。
その記憶を辿るべく、元彼と別荘地の家に出かけていくが・・・

この小説は恐ろしく登場人物が少ない。
というか基本的に、彼女と、その元彼の2人だけで構成されていく。
この人の本はこれで3冊目だけど、これも純粋な推理小説。
ちょっと苦手(笑)

読んでる途中で、チャーミーは絶対猫じゃない(猫って書いてなかったから)ってのも気が付いたし、この家がもともとここに無かったってのも、祐介君の日記の記述で「海」に関する部分が出たときに気が付いたけど、結末はさすがに全然予想出来なかった。
プロローグも意味ありげだったし、もっと元彼が絡んだ結末かと思ってたから。
そいえば、元彼の名前って出てこないんじゃないかな。
口語調の「僕」、思考するときは「私」の一人称でしか書かれてないような・・・
それに、題名からして、結末をから見たら「むかし私が死んだ家」の方が合っているような気がするけど、最後に、元彼の方も「僕も過去に死んだ家がある」みたいに言っているから、それはそれでいいのか。
んー 
ややこしい。

どうも騙されてるなーって思いながら読むのは、精神上よろしくない。
なんとなく引っかかる部分はあるんだけど、明解に説明できないもどかしさって言うか、推理小説好きの人ってそれが良いのかなぁ?
それにしても、全部のピースが矛盾無く、最後にぴたりと収まる爽快さというか、構成力というか、関心してしまう。
「あれってどうなのよ?」って部分も、かならず解き明かされる。
たぶんそういった矛盾が微塵でもあったら、推理小説じゃ無くなるんだろうな。
本を読む楽しさとパズルだね。

って思った1冊でした。