宿命

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  • 更新:2014年6月10日
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宿命 著:東野圭吾

これでこの人の作品は4冊目。
本格推理小説って言うよりは、ストーリーそのものが面白くて、謎解き中心になるトリッキーな本より僕的には全然こっちのタイプが好き。
犯人を捜すことより、ストーリーの構成による意外性の方が面白い。

学生のころからのライバルが大人になり、かたや刑事に、かたや医者になり、運命の糸に導かれるように、二人の人生は意外な形で交差していく。
運命の皮肉によって、昔最愛の恋人だった女性は、医者のもとへ嫁ぎ、殺人事件をきっかけにし、刑事として昔の恋人に再会することになる。

この本、作者が言っているとおり、結末を最初に読んでは絶対にいけない。
後書きにも書いてあるけど、最後の数行を書くために、この作品は構成されているっていっても言い過ぎじゃない。
それにしても、あいかわらず一分の隙もないほどの構成力だなぁ。

んー 高校時代の恋人か・・・
その頃、バンドやってたから、卒業式の数日後、最後のコンサートみたいなんやって、打ち上げで飲み過ぎて、朝寝坊しているときに、彼女から電話掛かってきた。

「今日新幹線で大阪に行く」
「あー そうだっけ? 頑張ってね」
「うん」
「ヒロもね」

二日酔いで頭グルグルだったし、ものすごく素っ気ない言葉だったように記憶してる。
僕だって数日後には東京に行っちゃうし、先のことは何も分からないけど、とにかく無軌道に未来は広がっているって思っていた時だ。
あれから一度も連絡することもなかったけど、どっかで元気にしていればいいと思う。
そえいば、トマトが入ったみそ汁を食わされたのも彼女だったけか・・・?

って思った1冊でした。