ハサミ男

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  • 更新:2014年6月10日
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ハサミ男 著:殊能 将之

この本、かなり前に友人から貰った本で、たぶん2年位そのまま眠っていたと思う。
前にも書いたけど、僕は人に薦められた本、とくに推理物とミステリー物の本はまず読まない。
これは、高校の時、無類の推理小説好きがいて、人に本を薦めるのは良いんだけど、その後やたらと感想を聞きたがるんで、面倒だからそいつからは極力本を借りないようにしていた。
それが、いまだトラウマのように拒絶反応を示す。

さて、この「ハサミ男」だ。
本格推理小説じゃないけど(たぶん)、本ならではのトリックを使った猟奇殺人のミステリー。
ちょっと硬質だけど文体も軽快でテンポ良く読める。
ただ、僕はこのトリックというか、こんな形で読者をミスリードする方法は好きじゃない。
本は、読んだままイメージを頭の中に構成していくわけだから、見えないことを逆手に取った意図的なミスリードが度を過ぎると、ちょっと読んでいて不快になる。
(後半、かなり読むスピードダウン、いつもだとアップするんだけど)
読んだ人はわかると思うけど、たしかに、太っているというのは主観的なものだから、本人がそう思うとの、他人がそう思うのでは隔たりがあるだろうけど、それにしたってイメージする世界で太っていると言われればデブをイメージするよね。本人もそう言っているんだし。
それがなんで最後に「凄い美人でちょっとふっくらして」にいきなりなっちゃうわけ?
途中に『あっそういえば!』ってのが1センテンスでもあれば納得なんだけどなぁ(僕が読み落としたか?)。
その他の事も、最後に説明(推理物のおきまり?)があるけど、どれも納得はするけど、なんかこう釈然としない(うまく繋がらないというか、なんか取って付けたみたいというか)気持ちが残る。
もっとも「それが最初からわかったら面白くないよ」ってことだろうけど、好みのからすると僕は嫌い。
もっと、騙されるにしても「え”~ そうきたか! なるほど」ってのが好き。
最後の「なるほど」の部分が大事なんだよね。

じゅんちゃん、俺の嗜好には合わないよ・・・


って思った1冊でした。
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