"It"と呼ばれた子 完結編

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  • 更新:2014年6月10日
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”It”と呼ばれた子 完結編 著:デイヴ・ペルザー

「幼年期」「少年期ロストボーイ」に続く3冊目。
小さい頃から母親に虐待されて育ってきた自分の物語を綴っている。
その完結編となる作品。
「少年期ロストボーイ」の最終の場面を繋ぐようなかたちで、今回もエンディングで自分の息子に語りかけている。
すごいインパクトってのじゃないけど、なかなか心にしみてくる。

ペルザー氏、ちょっとあり得ないくらいいい人。
もちろん生きていく上で、多々な人間くさい部分はあるにせよ、あれだけの虐待を受け、なぜここまで基本的な精神が曲がらないで成長していけるのかと・・

連鎖による悪循環で虐待があるなら、どこかで断ち切らないと自分も同じ過ちを犯してしまう。
でも、悪循環の最後があるなら、その始まりもあるわけで、そう考えると、氏の、「何故?」にたいする明解な答えは見つかっていないような気がする。
でも、たぶん人生なんてそんなものなんだろうなぁ。
理不尽な事も、怒りだけで解決するわけじゃなく、許すところから始まるのか・・
んー むずかしい・・

って思った1冊でした。
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