13階段

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  • 更新:2014年6月10日
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13階段 著:高野和明

題名からだいたい想像できると思うけど、死刑囚の話。
最近では、異例の早さで執行された、このニュースをなんとなく記憶している人もいるんじゃないかと思う。
僕自身は、死刑については特に賛成でも反対でもない。
でも、極悪非道で本当に死刑に値するような人間(獣?)については、死をもって報いるようなことでは物足りないのではないかと思う。

さて、この本はフィクションだけど、たぶん綿密な取材で、日本の死刑制度や、その実態をかなり正確に伝えているんじゃないかと思う。
海外物ミステリーで「チオペンタールナトリウム/塩化カリウム」の注射による死刑執行のシーンなんかは、ジョングリシャムの「処刑室」でかなりリアルに書かれているけど、日本のやつは初めて読んだ。
しかも、小菅なんて通勤途中の電車の中から見えるじゃん。

冤罪の死刑囚を助けようとするのがストーリーの中核なんだけど、死刑囚の投獄中の心理状態や、処刑シーンなどは相当リアルに描写されていて、ドキドキしてオシッコちびりそうになる。
そして最後まで物語が展開しまくりで、380ページ位あるけど、まさにあっという間に読み終わってしまった。

(ここからはネタばれなんで見えなくしてるよん)

それでだ、個人的には、この結末はあまり好きじゃないなぁ。
純一も有理も全然救われないじゃん。
根が単純なせいか、勧善懲悪とはいわないけど、出来ればサウスウィンドベーカリーは開店して欲しかったな。
そんで、そこに純一と有理が訪ねていくようなシーンとか期待してたんだけどね。
映画もそうだけど、結末がちょっと寂しいやつはあまり好き
くない。

ちなみに、映画の方は見てないからどんなだか知らない。

んー まだまだ自分の想像の範囲外にいろんな事実が存在するんだなぁ・・
って思った1冊でした。