彼女は存在しない

  • 投稿:
  • 更新:2014年6月10日
  • by
  • in

彼女は存在しない 著:浦賀和宏

この本、裏の短い解説すらみないで読み始めたら、「学園青春物の本?」ってくらい軽く始まる。
そもそも買って1ヶ月くらい寝かせておいた本で、なんでこの本買ったかすっかり忘れてたもんだから
「あれ? なんか間違えて買ったか?」
って思ったくらいだしね。

内容は、多重人格(解離性同一性障害)を題材にしたミステリー。
同じような題材で、日本の作家だと貴志祐介の「十三番目の人格」とか読んだけど、こっちはかなり内容がぶっ飛んでて、どちらかというとSFに近いかな。(でも、この人の本は面白いから結構好きだけど)
あとは超有名なダニエルキースの「24人のビリー・ミリガン」。これはものすごく前に読んだから、内容はだいぶ忘れちゃっているけど、実話を小説にしたやつ。

「彼女は存在しない」は・・・
これは言わない方が良いから、ちょっと伏せ字でね。
多重人格者のサイコパスを題材にしている。
たぶん、物語が後半に入るまでは、前述の通りで、そんなことには全然気が付かない。
実際僕も、半分を読んだあたりで、犯人はなんとなく解ったんだけど(これは、消去法で考えると、彼女以外は物語としてありえない)、最後にこうした結末になるとは思いも寄らなかった。

読んでいる間中、疑心暗鬼で、ぜったいどこかにトリックが仕掛けてあるに違いないと思いながら読んだんだけど、途中からどのパーソナリティがどの人間に宿っているのかさっぱり分からなくなって、読んでいるこっちの精神が分裂しそうになる(笑)

ってことで、今回の感想文は透明文字が多いけど、読もうと思っている人は、見ない方が面白さが倍増するよ。
今回まんまと作者のトリックに引っかかってしまった。

ちなみに、僕もよく多重人格と言われる。
でもさぁ、大なり小なりは相手によってパーソナリティを使い分けることってあるでしょ?
恋人と一緒のときのペルソナと、仕事しているときのペルソナがまるっきり一緒ってのもどうでしょ?
んー あまりシチュエーションによって人格を使い分けていると、そのうちそれぞれが独立して、頭ん中で大宴会を始めるのかなぁ・・? ちょっと楽しそうだ。
酔っぱらってグルグルで、主人格はもちろん、頭ん中、完全に留守になることはたまにあるけどね。

って思った1冊でした。