サウダージ

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  • 更新:2014年6月10日
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サウダージ 著:盛田隆二

「ストリートチルドレン」「夜の果てまで」に続き、この作家の本はこれで3冊目となる。
僕が好きな本は、タイプ的には2つ。
1つはストーリーがめちゃめちゃ面白い。
もう1つは文章に使われている言葉がすごくクール。
前者のタイプは「グレッグ・アイルズ」とか「トマス・ハリス」とかで、後者が「村上春樹 」さんとかになるかな。
盛田隆二さんは、僕にとっては後者になる作家。
「夜の果てまで」はストーリーも良かったけど、この「サウダージ」は叙情的な雰囲気もあり、のめり込んで読むと言うより、切々と読む感じの本。

日本人の父とインド人の母のをもつ裕一。
幼い頃に母と別れ、父と日本に移り住む。
サウダージの言葉の意味。彼の生き方。裕一は何処にたどり着こうとしているのか?

この本、「夜の果てまで」と同時期に出版された同じ年代の物語、そして伝えたかったメッセージも同じなんだそうだが、僕はあまり馴染めない。
「夜の果てまで」は、ものすごく気持ちが分かるんだけど、この本には生活感というか、そういったものがあまり感じられないから親近感が無い。
叙情的って言ったのは良い意味もあるけど、全体的に存在感が希薄な感じがしてしまうのは、わざとそういった雰囲気にしたかったのか・・・サウダージだし。

でも、メッセージはなんとなく分かったような気もする。
さて、僕も旅の途中だ。
どこにたどり着こうとしているんだろうか・・・

って思った1冊でした。
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