誘拐の果実

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  • 更新:2014年6月10日
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誘拐の果実(上) (下)著:真保裕一

この本はすごい。
ちょっと、前回読んだ「発火点」が僕的にはイマイチだったので、ちょっと心配しながら読み始めたんだけど、これは今年読んだ本のなかで1番面白い。

2つの誘拐事件がほぼ時を同じくして発生する。
1つは、身代金の換わりに、インサイダー取引の疑惑で隠匿入院中の政治家の命と引き替えろと。
もう1つは、その企業の株を購入して指定の場所へ投棄しろと。

読み始めてすぐに、偽装の誘拐ではと思い当たったけど(たぶん誰でも思うからネタバレにならない)、この物語は仕掛けもすごいが、それに捕らわれると、この小説に出てくる警察と同じく大切なことを見落としてしまう。
ものすごくピュアの若者達の物語なのだ。

強い意志と、人の立場になって考えられる広い視点と、人を強く思いやれる優しい心。
たぶん、この3つがあればなんだって出来る。

って思った1冊でした。
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