水彩画

高校のとき、美術か音楽かを選んで授業を受けることが出来た。
選べるといったって、希望してもその通りになるとは限らないのだけど。
どういう基準で選択したのかは定かじゃないが、幸か不幸か僕は希望通り美術を専攻することになった。
講師は水彩画を得意としていて、水仙やら紫陽花やらパンジー等々、その季節毎の花をよく画かされた。
風景画と女体以外のデッサンはまるっきしダメだったんだけど、何故か花を題材にした水彩画だけは評価が高かったのだ。

絵の評価の優劣をつける方法は凄く公平で、順番に数枚ずつ黒板に絵を並べていき、その中で1番良い絵を生徒全員で選ぶ。
(もちろん講師が注釈はつけるのだが)
そうして、最終的に残った絵が一番評価が高いのだ。
僕が紫陽花を画いたときは最後の2枚に選ばれた。
もう1枚は美術部員の女の子の絵で、絵の存在感はこちらの方が勝っていたと思う。
(彼女は、女体以外のデッサンだって上手いし)
ただ、題材は紫陽花。「雨に濡れた感じが良い」ってことで僅差で僕の絵が選ばれた。

紫陽花を見るとなんとなく絵を描いてみたくなる。