七夕のラブストーリー

さて、今宵は七夕
スペシャルなラブストーリーなんてどうでしょ
実話ですけど・・・


たぶん1枚の写真が始まりだったと思う
まだあどけなさを残し、悲しそうにこちらを見つめる瞳
それから少しだけ時間が過ぎ、初めて逢った彼女は
少しだけ大人になっていた
しなやかな体と大きな瞳がアンバランスで
無口な彼女に、その雰囲気がとても似合ってる
そのとき、僕は恋に落ちた

7月の良く晴れた朝
僕たちは海に出かける
そして、朝のビーチを彼女と並んで歩く
まだ、早い時間だけど、気の早いサーファーが海へと急ぐ
何も話さなくても、なんとなく心が繋がっているのがわかるのは
僕の気のせい?
そんな僕の心を見透かしたように、彼女が振り向く
澄んだ瞳でみつめられると思わず抱きしめたくなってしまう
両手で顔をそっと包んで、ほほを寄せ合う
彼女の息づかいが、僕の心を落ち着かせる
こんな風にして、いつまでも、ゆっくりと時間が流れていけばいいと思う
でも、それは出来ない
僕には僕の別の時間があるし、彼女にもまた別の時間がある
きっと、限られた時間だから、今は宝石のように煌めいているのかもしれない

僕は波乗りをする
彼女はそんな僕を遠くから見つめる
少しだけ心配そうに
すこし顔を傾けて、何かを問いかけるようないつもの仕草
右手をあげ、大丈夫だからの合図
いつか、この波もシェアできたらと思う

少しだけ昼寝をする
そして、草いきれの強い、海へと続く小道を
また彼女と散歩する
先を歩く彼女がいきなり立ち止まる
道の真ん中で、思い詰めたように身体を震わせる

「あっ チャドちゃん そんなとこでウンコしちゃダメ!」


追記:

ちょっと仲間内で「物語の背景が分からないと意味分かんない」って指摘があったんで、背景の説明でっす
「チャドちゃん」は5月連休の日に、僕の友達のKOVAちゃんに拾われた♀のワンコで、そのときは姉妹5匹で写真に写ってました
それから数ヶ月後、波乗りキャンプの時にチャドだけ連れてこられたんだけど、そのとき1日の風景を、僕とチャドのラブストーリーにしてみました
って、説明したら この話しつまんないじゃん(笑)

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