もっと光を…

僕は週に1度、某外資系の会社へ出向いている。
間借りしてる自席は、隅田川が一望でき、行き来する船の航跡もキラキラと美しく、日の光は燦々と降り注ぎ、真冬でも暖かな窓辺で、昼寝するにはこれ以上は無いってほどロケーションの良い席だった。
難点といえば、隣席に居る女子社員達の、年不相応な「まじぃ~」とか「ありえねぇ~」(女子高生イントネーション)や馬鹿笑いだったけど、それすら慣れてしまえば、春の日だまりの不協和音のように、どうでも良くなってしまう開放感があった。
太陽の光は偉大である。
そう、それも先月までは・・・。

今月に入って、席というかフロアの移動があり、ほとんど倉庫といってもいいような部屋に移ってきた。
20平米位の部屋に、これでもかってほど机とマシン(と廃棄物?)があって、窓が全く無く、少し薄暗いから時間を喪失してしまう。
しかも、僕は誕生日席で、机に猫でも載せておけば、庶務二課長の森本レオのような気分になれる。
(猫、マジに見つけてこようかなぁ)

天上人(てんじょうびと:以前のフロアにいる住人)が降りてきて開口1番
「集中できる部屋ですね」
ものは言いようである。
って、喧嘩売ってるのか(笑)

まぁたしかに集中できるが、人も少ないから、屁垂れても響き渡るし(密室だからやめて欲しいけど)、煎餅食べるポリポリという音も何処か裏寂しい感が否めない。

そういえば、若かりし頃にバイトで、御前崎の原子力発電所弟2期工事(だったと思う)の地質調査のため、100m位の縦坑に1ヶ月、日がな一日潜ってていたことがある。
1時間おきに調査のための発破開始のサイレン、それに続く爆発音がする中、延々と地質をボーリングして調べていた。
そのときほどの閉塞感は無いけど、ちょっと空気が薄いような感じは似ていなくもない。
発破をかける音が幻聴のように聞こえてくる・・・。
「もっと光を」はゲーテの最後の言葉だったけか?


追記:
誤解を招くといけないんで追記すると、結構気に入ってます。この倉庫
じゃなかった、この部屋。
FMかけて、壁に波乗りの写真で貼れば最高なんすけどね。
たしかに、集中できるし。