カッコウはコンピュータに卵を産む 再読

カッコウはコンピュータに卵を産む(上) (下) 著:クリフォード・ストール

もうかれこれ15年位前に読んだ本なのですが、今読んでも十分面白かったです
バークレーの天文学者がハッカーを追跡する物語です
日本で出版されて既に20年近く経ってる今現在でも、システム管理者が読む本として半端な最新技術の本を読むよりはるかに有用だと思います
退屈な技術解説本とは違い読んで面白いですからね

この本が出版された 1991年といえば、日本では翌年の 1992/4 に Windows 3.1 が発売されたときです
インターネット用のブラウザはその1年後の 1993年 に、初めて画像が表示できるブラウザとしてモザイクがリリースされました
IEの登場はそのさらに2年後の 1995年に Windows95 が発売されたときにOSに同梱されたのが始めになります
このころから日本でもぼちぼちインターネットが一般に普及してきたのではないかと思います
それ以前は、NIFTY-Serve とかアスキーネットとかPC-VANとかのパソコン通信がネットワークのメインでした
JJ も当時は NIFTY-Serve に渾身の駄作プログラムを頑張って作ってアップロードしてましたしね(笑)

本の物語の年代は、1987年ですから、読み返してもなかなか感慨深いものがあります
23年前ですからねぇ
まだ VisualBasic も出る前で、仕事でのメイン言語はBASIC(業務用)とか COBOL とか PL/1 たまにアセンブラとかだったと思います
マシン語をハンドアセンブルで書いてたりもしました
Pascal とか C は全く仕事での出番はなくて、完全に趣味でプログラムしてた時期ですね
C++ を覚えたのはさらに数年後です

こうしてみると、今からエンジニアになる人は大変だと思います
なんでも簡単にできるようになってるし情報も豊富なんですが、選択肢が多すぎて何から手を付けていいやらわからないのではないかと思います
というか、1つだけ出来ててもあまり役に立たなくて、複合的にいろいろな技術を知ってないとほとんどの問題は解決できませんから
それに、根本となる基礎の仕組みを知らなくてもある程度使えちゃうので、根の深い問題が出たときに掘り下げて考える基礎知識が無いとすぐにお手上げになるんですね
エンジニアに要求されるのは、広く浅くじゃなく、広くより深くです
昔は1つのコンピュータ言語知ってるだけで十分仕事になったんですけどね

閑話休題

コンピュータセキュリティも複雑化してきて、いろんな技術がありますが、この本を読んでみると問題は技術的な事ではなくて使う人間側にあるのではないかと改めて気づかされます
基本的に、ヤバイとこには鍵を掛けて(IDとパスワード)って発想自体は今もかわりないですからね
鍵のかけ方、解錠の仕方はシステム的にいろいろ複雑になってきましたけど
使う側から見れば、昨今いったいいくつのIDとパスワードを覚えなくてはいけないことやら…