翼 - cry for the moon

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  • 更新:2014年6月10日
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翼 - cry for the moon 著:村山由佳

この作家の本はこれで3冊目となる。
前に読んだ2冊の「BADS KIDS」がとても良かったので、ちょっと続けて読んでみた。
僕は、短編よりは長編、それもかなりの長編が好きなので、この本を選んだ理由もそれ。
この作家の本のなかで一番厚かったから(笑)。

子供の頃、父親の自殺からはじまる母親からの虐待。
幸せを掴もうとすると、かならず周りの誰かを不幸にしてしまう皮肉な人生。
トラウマとなった母親の言葉の呪縛。
それでもなを、愛することはどういうことか必死に考え、頑なに閉ざされた心の扉を開こうとする。
芯がとても強い一人の女性、真冬(まふゆ)の物語。
恋人のいるニューヨークで、そしてネイティブアメリカン達とアリゾナで・・・

この本読んで2つ、すごく心に残る言葉があった。
1つは、たしか真冬の友人のお婆さんの言葉で

「幸せは掴もうとしてはダメよ」
「掴もうとすると逃げてしまうから、幸せは感じるものなの」

怖いほど幸せって言うけど、たしかに表裏一体の不幸は何かに固執するあまり神様にイタズラされてしまうのかもしれない。
(でも、怖いほど幸せって言ってみたいぞ)
もう1つは、実はこれに相反するような言葉を、ブルースが終わりの方で言ってるんだけど、これは言わない方がいいかな。

「愛してる」って難しい

って思った1冊でした。
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