アジアンタムブルー

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  • 更新:2014年6月10日
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アジアンタムブルー 著:大崎 善生

死を意識したのは、いくつくらいの時だろう。
たしか、3才位の時で、突然に夜寝るのが怖くなった。
不思議なことに、自分が死ぬことを恐れたわけじゃない。
とても愛する(愛してくれている)人が自分より先に死んでしまうことに気が付いたとき、夜も眠れなくなるほど怖くなった。
独りぼっちになると思ったからじゃない、そのあまりの喪失感を、なすすべもなく恐れたからだ。

なんてことを、この本を読んで思い出した。

この作家の本はこれで2冊目。
1冊目に読んだ「パイロットフィッシュ」も、もろに心に響いたけど、この本はちょっと不真面目に感想文を書けないくらいすばらしい。
感動させようという意図がまったくなく感じるのに、圧倒的に心にしみてくる。

中途半端に優しいのだって悪くない。

って思った1冊でした。
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